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キスの花束を
第6章 待ち伏せと不機嫌
「それでも。大学を卒業するまで後4年は待つって約束したの」
「4年ってさ?私たちいくつよ?」
「32・・・誕生日が来たら33?」
「軽く言うね?紗江子ちゃん」
「・・・・」
「別れたら、そっからまた相手を見つける訳?」
「・・・・」
「司くんと簡単に結婚できるなんて思ってないよね?」
「分かってる。でもさ。今まで課長と未来を夢見ちゃいけない関係だったの。
少しだけ。少しだけ夢見ちゃだめかな?」
「・・・・」

私の顔をじっと見て明日香がビールを注文した。

「私が手を貸すのは今回きりよ」
「ん」
「今度同じような状況になったらあきらめた方がいい。
子供は所詮子供だと自分を言い聞かせてよね」
「うん」

「明日の土曜日。まさか仕事は入ってないでしょうね」

明日香はグビっとジョッキに残っているビールをあおった。
明日香、飲み過ぎだと思う。

「朝の開店と同時に洋服買いに行くわよ!」
「洋服?」
「10時に横浜駅の、いつものところね!」

そう言って女子会は早々にお開きになった。

11歳の年の差と環境の差は、埋められないんだろうか。

私がしてほしい事とツカサがしてほしい事は違うのかな。
高校生だった時、彼氏に何がしてほしかったのか。
あまりよく思い出せない。

28歳の私に17歳のツカサは
とても遠くの住民に思えた。

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