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ひよこと野獣
第3章 野獣 武志の困惑
「……先輩の手、おっきいですね」

「ひよこの手がちっさいんだろ」

ぎゅっと握れば壊してしまいそうだと思った。
小さなその手は柔らかく、小さいなりにもひよこが女なんだということを認識させられる。

ふと隣にいるひよこが静かなことに気付いた。

手を繋いでるから緊張してんのか?

そう思ってひよこの顔を見るとやっぱり顔が赤い。

「どうした?顔が赤いぞ?」

「だ、だって先輩の指が…」

繋いだ手を見ると無意識だったんだが、ひよこの手のひらを親指で撫でながら刺激していた。

……もしかして、こんなのに感じたとか言うなよ?

「そんなことしたら、な、何か…変な気分になっちゃいます…」

……マジか。
こいつやっかいなタイプだな。

上気した頬。
潤んだ瞳。
これで処女で手を出したくても出せないって言うんだから始末に悪い。

「じゃあ手離すか」

自分の方が抑えがきかなくなりそうで離そうとした手を、慌ててひよこが繋ぎなおした。

「や、やです!我慢…するから……離さないで下さい」

何だかいつか暴走しそうだな。

必死なひよこの様子にムラムラしながら、俺はこれからの自分を想像しため息をついた。




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