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ひよこと野獣
第4章 ひよこ 陽菜の困惑
私が先輩に初めて会ったのはマンションに引っ越してきたその日だった。
卒業式を終えてすぐの頃で、その日は朝から雨だった。
「コンビニ行って飲み物買ってくるね」
大体自分の部屋が片付いた夕方、私は近所を散策がてらに家を出た。
マンションの前には大きな公園があって、そこに大きな人影が見えた。
紺色の傘をさし段ボールを見下ろしている大きな人。
制服は……私が通う高校のものだ。
紺色のセーターに紺のチェックのズボン。
つまり先輩ってことだよね?
先輩は長い間段ボールの中を見つめた後、しゃがみこんで小さな物体を抱え上げた。
それは子犬だった。
一匹しかいなかったのか、他はもらわれてしまったのか、それは分からないけど、先輩は子犬を抱き上げた後どこかに行ってしまった。
見た目のごつさとは違う優しい心。
今までに会ったことのないタイプの人で、私はその人が一瞬で好きになった。
卒業式を終えてすぐの頃で、その日は朝から雨だった。
「コンビニ行って飲み物買ってくるね」
大体自分の部屋が片付いた夕方、私は近所を散策がてらに家を出た。
マンションの前には大きな公園があって、そこに大きな人影が見えた。
紺色の傘をさし段ボールを見下ろしている大きな人。
制服は……私が通う高校のものだ。
紺色のセーターに紺のチェックのズボン。
つまり先輩ってことだよね?
先輩は長い間段ボールの中を見つめた後、しゃがみこんで小さな物体を抱え上げた。
それは子犬だった。
一匹しかいなかったのか、他はもらわれてしまったのか、それは分からないけど、先輩は子犬を抱き上げた後どこかに行ってしまった。
見た目のごつさとは違う優しい心。
今までに会ったことのないタイプの人で、私はその人が一瞬で好きになった。