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ダディisサディスト
第14章 娘と息子
帰宅ラッシュを過ぎたとは言え―――…
駅に向かう人は多く――…
人の流れは――――…止まらない
私は、駅まで行って――…タクシーで帰るか…
久しぶりにバスでも使うか…悩みながら歩いた――…
「――…あれ?小雪さん?」
私は、誰かに名前を呼ばれ――――…振り返った…
「やっぱり!小雪さんだ」
そこには、清楚なワンピースにパンプスを合わせた…ナツが立っていた――――…
「―――――…ナツ…さん?」
ナツは、ニコニコしながら私に歩みよってきた―――…
しかし、小走りとかはせず…おしとやかに、ゆっくり…
繋いだ手を気にしながら…こちらに向かう―――…
そう――――…ナツの左手には…小さな手がしっかりと繋がれていた――――…
「こんばんは。史朗、小雪さんだよ、挨拶できるかな?」
「こんばんは。北山 史朗――…ぇーっと…あっ!五歳です!」
ナツに、しっかり挨拶をする所を見せたいのか…小さい少年は頑張って私に名前と年を告げた…
「こ…こんばんは…
お母さんの知り合いの、小雪です。」
少年は…キョトンと…私を見つめる―――――…
「ママ…しりあいって何?」
ナツは、微笑むと「お友達だよ」と―――――…息子に説明した…
私は、“友達”では…ないが――――――…少年には…関係ない事だ…
「小雪さん…珍しいですね…歩いてます…」
ナツは、私をじろじろみて…驚く…
「残業をしていたので…
緑川の車に乗り損ねました…たまには歩くのもいいものですね。可愛い少年との出会いもありましたし――」
少年は、ナツの手をギュと握ると私をみてニコッとわらった――――――…
「小雪さん…夕飯は?
私たち今日は、外食しようかなって思って駅まで出てきたんですよ」