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ダディisサディスト
第6章 人妻と娘

視察を終えると――――…


父は、休みを取る―――…と、素直に私の提案を受け入れた…



何度か連絡が父に来ていたが…



プライベートな事だったらしく――――…



父は、その相手と会う約束を交わしたらしい―――…



「社長、社まで戻られますか?

このまま…車をお使いになるのであれば―――…鍵を」



緑川は、父に鍵を渡すと…

時計をみた―――…



「我々は、午後の業務まで時間がありますので…、ランチを済ませてタクシーで社まで戻ります。
お気遣いなく…」




「そうか、小雪そうしてもらうと助かるが…いいか?」



父は、一応申し訳なさそうな顔をして私を見る――…



「はい。大丈夫です」



緑川の提案を受け入れた…





父は、夜には戻る―――…と言い…車に乗り込み…


休暇を満喫するため――…消えていった…





「…で…緑川さん…
私達は…ど〜するんですか…」


緑川は、ハハハっと笑うと…


私の鞄を然り気無く持ち…


駅の方へ歩き出した―――…





「たまには…歩くのもいいじゃないですか?」




「…新しいヒールが痛みそうです…」





「ついでに、靴擦れでもして…泣いてくれれば…私は満足なんですけどね…」




緑川の…冷たく光る黒目…



マゾや…奴隷達はこの瞳が好きだと…口々に言うが…



私は…解らない…



「…泣かないわよ―――…」




「はいはい、知ってますよ」





と…緑川は、私を解ってそれ以上はしない…




私達は…6月の湿っぽい暑さの中を駅に向かって歩いた―――…



空には…
灰色の雲が広がり―――…


天気予報が当たりそうな気配がしていた―――…





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