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保健室は絶対領域
第9章 傷跡
ルイの部屋のリビングは、とても殺風景で余計なものがほとんど見当たらず、唯一家具らしいものといえば、ソファとテーブル。
奥に寝室らしきものが見えるけど、あまり生活感が感じられないのだ。
ルイは、そのソファにぐったり横になっていた。
「遅くなって、ごめんなさい。すぐ用意するから。」
「あぁ…」
ルイはそれだけ言って、静かに目を閉じた。
桜子がキッチンに向かうと、あまり使ってないせいかシンクに薄っすら埃が溜まっていた。
適当な調理器具を見つけると、お粥を炊き始めた。
タオルを絞り、ルイのおでこや顔を拭った。
シャツも汗で随分汚れているはずだ。