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保健室は絶対領域
第16章 秘密
―――十勝平野
水野正造別宅
「奥様…どうぞ上着を。お身体にさわりますよ。」
夫人は上着も羽織らずに窓辺に立ち、格子のついた隙間から外の景色を眺めていた。
「宮田さん…もうあの白い雪に触れることは出来ないのかしら…」
柔らかいカーディガンを受け取りながら、振り返り宮田を見つめる。
その純粋な少女のような瞳を、宮田は直視することが出来なかった。
「今度旦那様が来た時に、お話ししてみましょう」
夫人にそう言って、やさしい笑顔を向けた。