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保健室は絶対領域
第16章 秘密
「雪に触れると、何か思い出せそうな気がするのよ…」

夫人は、静かに微笑んで愛おしそうに外を眺め、瞳を閉じた。

手の平をゆっくり差しだし、まるで降っている雪を受け取めるような仕草をした。


宮田は雪の幻影を見ているその姿が、あまりにも悲しげで哀れで思わず抱きしめたい衝動に駆られた。

手を伸ばしそっと肩に触れる。


「あまり窓辺に立っていると凍えてしまいます。そろそろお部屋にお戻りください。温かいハーブティーをいれましょう。」

「そうね…編み物の続きしなくちゃ。」


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