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第18章 復讐

「ビックリさせてゴメンね。葡萄畑を見てたの。」
「お姉ちゃん、綺麗。お洋服もピカピカだね。お金持ち？」

そう話す少女は、好奇心に満ちた瞳をリナに向けた。しかし身に付けいる洋服は、くたびれて薄汚れていて所々穴が空いている。

リナは、カバンの中から、チョコレートを取り出すと、
「これ、後で食べなさい。でも、誰にも秘密だからね。」
と、少女の頭を撫でた。

「ありがとう。」
そう言い残し、少女は犬と葡萄畑を出て行った。

ほっと胸を撫で下ろす。
これ以上、いてはダメだ。リナはもと来た坂道を登ろうとした時に、

「待って〜！！カタリナ！！」
遠くから響くその声は、懐かしい母の声。

立ち止まってはいけないのに、足が前に進まない。

振り返ってはいけないのに…