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保健室は絶対領域
第5章 ウォーク イン クローゼット
「桜子、学園はどうだい?」

休日の昼は、父と良斗とフレンチレストランで会食。個室で、ゆっくりコース料理を堪能していた。

さすが一流ホテルの最上階だけに眺めも良く、心地よいメロウなピアノの生演奏が高級感を引き立てる。


「はい、何とか慣れました。」

この場で、学園でのことを話すことなんて出来るわけがない。桜子は、ナプキンで口を拭った。


「そうか…悪かったな急で。正式な校医が見つかるまで、もう暫く我慢してもらえないか?」

「お父様、大丈夫です。楽しくやってますから。」


ふっくらと瑞々しい口元に軽い笑みを浮かべる桜子は、彼女の若い頃の面影を彷彿とさせた。

随分と似てきたなぁ…水野正造(みずのしょうぞう)は、過ぎ去った過去を懐かしむかのような穏やかな表情を浮かべた。
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