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保健室は絶対領域
第5章 ウォーク イン クローゼット
―――汗ばむ身体…コートの上でだいぶ走り周ったせいで、体力もかなり消耗した。

良斗は来週の出張の準備があるからといって、先にシャワーを浴びると帰って行った。


桜子はシャワーで汗を洗い流すと、タオルを巻きつけ着替えを取りにクローゼットへ向かった。

クローゼットの奥に置いた着替え用のバッグの中を開けたが、空っぽで何も見当たらない。


「あれ…?」

(ちゃんと、入れたはずなのに…)


室内に戻ろうとドアに手をかけると、ガシャンと音がした。


―――!!


押しても、引いてもドアは開く様子がない。

さすがの桜子も焦り出して、ドアを叩いたり…叫んではみるものの、助けの来る気配はない。

あいにく携帯もテーブルに置きっぱなしにした事を後悔した。


4畳ほどの広さのクローゼットの内部に、窮屈さを感じることはない。

空調の効きもさほど悪くないが、閉じ込められた閉塞感と焦りでじんわり汗が滲んできた。


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