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保健室は絶対領域
第6章 欲望
―――都内某所…
「申し訳ありません、逃げられました…」
黒いスーツの部下が、男に向かって頭を下げる。
その男は、総革張りの豪華な椅子にふんぞり返り、気だるそうに頬杖をついて足を組んでいた。
切れ長の鋭い目をした端整な顔立ちからは、一切の爽やかさが剥がれ落ち、この男本来の姿が生々しく感じとれる。
「俺が行くまで閉じ込めておけと言ったのに!」
「何者かが、逃がしたようです。」
「チッッ!ねずみか…?チョロチョロしやがって!」
―――ダァン!!
ムシャクシャした男は、突然机を蹴り上げた。