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第12章 終点
またさっきと同じ、通勤電車内だ。





目の前でさっきの女が、痴漢されている。




俯いて涙をこらえる女の顔が、さっきの菜穂と重なる。





痴漢の手首を掴み、捻る。


「何してんだよ…」


痴漢に凄むと、ちょうど到着した駅で降りて逃走した。






女を見た。




『ありがとう…これからもその気持ち忘れないで…』





女は穏やかな顔をして消えた。
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