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SA
第17章 15年前 4
「では、書類等揃いましたら改めてお伺いいたします。急なお話をすみません。これ、私の名刺です」


架空の自営業の名刺を机に置く。
SAの仕事は説明がやっかいなので、名前だけの会社を自宅経営している形にしている。


『あ、はい!よろしくお願いします』


来た時と別人のように愛想良くなった母親。
金で買えない大切な物はたくさんあるけど、金で解決できることが多いのも事実だ。





「では失礼します。」

そう言って会釈して立ち上がった。



こいつらへの怒りは、手続きが全部終わるまで堪えるしかない。
ゴネてシュウジを手放さないとか言い出すと厄介だ。

今はとりあえず、シュウジをこいつらと引き離すほうが先決だ。
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