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SA
第18章 家族
『美織さんとの経験がなかったら、母さん…あ、紀子のほうね。母さんのこともきっと恐怖の対象だったと思う。
ありがとう』
お礼を言いたいのは私の方だ。
ずっと子供ができなくて、気が付けば35歳。
周りの友人はどんどん出産していて、小学生の子供がいて当たり前の年齢。
自分に欠陥があるような気がして、自分に自信が持てなかった。
でも、幼い南くんが言っていた
『私が母親だったら良かった』
って言葉に凄く救われた。
ありがとう。
…って辛い幼少期を過ごしてきた南くんに言っていいものかわからなくて、言うのをやめた。
顔を伏せたままの南くんの頭を撫でる。
「私にできることってあんまり無いかもしれないけど…でも何かあったときは、ちゃんと頼ってね?」
ありがとう』
お礼を言いたいのは私の方だ。
ずっと子供ができなくて、気が付けば35歳。
周りの友人はどんどん出産していて、小学生の子供がいて当たり前の年齢。
自分に欠陥があるような気がして、自分に自信が持てなかった。
でも、幼い南くんが言っていた
『私が母親だったら良かった』
って言葉に凄く救われた。
ありがとう。
…って辛い幼少期を過ごしてきた南くんに言っていいものかわからなくて、言うのをやめた。
顔を伏せたままの南くんの頭を撫でる。
「私にできることってあんまり無いかもしれないけど…でも何かあったときは、ちゃんと頼ってね?」