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第8章 チカン、アカン
お尻を撫でまわしていた男は、私の手首を掴み、自分のモノに擦りつけてきた。

肘で胸をつついていた男は、ブラウスの上から揉みしだいてきた。



内腿を触っていた男は、下着の中にまで指を侵入させて無遠慮に掻き回す。

『おねーさん、気持ちいいの?濡れてるよ』

男は私を小馬鹿にするように耳元で囁いた。

『もっと気持ち良くしてあげるから、足開いてよ』






悔しい。
恐怖に支配され、気持ち良い訳がないのに、なぜか濡れている自分のカラダ。
痴漢たちの身勝手極まりない行為。


涙をこらえていると、電車の扉が開いた。



一瞬のスキをついて、扉の外に出る。


最寄り駅より数駅前だけど、あのまま痴漢達に好き勝手にされるより何倍もマシだ。




ちょっとお金はかかるけど、タクシーで帰ろう。


改札に向かって歩く。
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