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TABOO
第4章 未来へ
……そして……
二人の男の出会い。
『チーフ!
お客さんです!!』
『すみません~
9時まで仕事なんです~』
と言うと私を見るなり
キョトンとした
顔をしている。
まあ無理ないが。
『……失礼……
君は立花零さんかね?』
『……あ、はい……そうですけど、あの?』
『美砂の事を
知っているね?』
レイはハッとした。
『私は篠原伸一。
美砂の元夫です。』
……この人が……
美沙の旦那さん…?え?元…?
どういう事だ?……
レイは深々と頭を
下げると、
『……あ……
初めまして。立花零です。
美砂さんとはその、スミマセン……』
と言うと、
レイは涙を流していた。
『……俺は……
君を責めるつもりはないよ。
今の君の涙で、
君も真剣だと言う事が
解ったよ。
美砂の事で話しがある。
君が一番
知りたい事だと思うが……
仕事の後、
話しはできますか?』
『……あ……はい。勿論です。』
『ここはまだ、
食事はできるの?
君の働いている所を見たいんだが。』
『あ、はい。』
席に案内され、
レイを改めて見た伸一は、苦笑いした。
……凄い美形……
美砂が惚れるのも
無理ないな。
……驚いたな……
そしてまた
びっくりした伸一。絶え間無く来る客。やみくもに働く
レイの姿。
この青年になら
美砂を任せられるな。
注文した料理を
口にする伸一。
……味も……
超一流か……
『あ、アイツに電話。』
『もしもし?
ああ、俺だけど。
会えたよ……』
『……そう……良かった……
あなた絶対
幸せにしてあげてね?』
『……ああ……
有難う……』
女は泣いていた。
自分のせいで
別れたと言う
負い目があった。