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粉雪のファンタジー
第3章 涼の決心…そして最終章★

結局…雪は……
余命宣告よりも
1週間長く生きた。
雪の最後に俺は
立ち会えなかった。



だけど不思議と
穏やかだった。
最後に達也先輩から雪の様子を
聞けたからだろうか。



とても優しい顔を
していたと。
最後の最後に
俺の名前を呼んでいたと……



でも願わくば……
このフォトを
見てほしかったよ。雪……



そして今日は、
12月24日。
X'masイブ……



雪が生きていたら、一緒に迎える、
3度めのイブの日、
となるはずだった。



……俺が……
1人でE'veの日を、
過ごそうとしたら、突然俺の携帯が、
鳴った。



達也先輩だった……


『……涼……
仕事終わった?』



『……あ、はい……先輩……
どうしたんですか?』



『……涼……
飯奢ってやるから、出て来いよ。』



『……え?……
マジですか?』



『……ああ……
早く来いよ!』



『……あ……
はい!』



俺は急いで車で、
待ち合わせの、
場所に向かった。
先輩が選んだ場所は俺と雪が初めて、
出逢った場所だった。







『……先輩……
イジメですか?』







と俺は皮肉を言った。



『……まあ……
二人で想い出に、
浸ろうや……』



『……先輩……』



『……涼……
少しは元気に、
なったか…?』



……先輩……
先輩も辛いはずなのに俺の事心配して誘ってくれたんだ。


『……先輩……
有り難とう
ございます……
なんとか大丈夫です。』



『……あんまり……無理するなよ。』



『……先輩も……』






『……涼……
X'masプレゼント♪
雪から……』







『……え?……』







先輩は俺に1本の、
ビデオテープを、
渡した。



『……これ?……』


『……雪が……
死ぬまで映像を撮って欲しいって、
俺に頼んで来た。
全部涼への、
愛のメッセージだよ。』



『……あ……
先輩……』



『……雪の姿を……お前は見れる?
どっちでもいい。
それはお前が、
決める事だから。』


『……勿論!……
見ますよ!
先輩……本当に、
有り難とうございました……』





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