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不条理な世界に、今日も私はため息をつく
第2章 コンビニはどこですか

茶色い……ふたこぶRAKUDAがなぜかここに居る。
その理由を考える前に、あたしは知った。
ラクダという生物は、決して可愛くないものだと。
あたしの知るラクダは、かなり美化された生き物だったらしい。
だが、ひととして親しみ込めて好いてやろうと、このUMAの如きラクダを、"ラクたん"と名付けることにした。
ほ~ら、少しは可愛くなった。
そう口に出してみたものの、ラクたんは嬉しがるどころかそれどころの話ではないらしく、依然"ンゴォォォ"のままでじたばたしている。
あたしは少々気の毒になってしまった。
どこをぶつけたのかはわからないが、よほど痛かったらしい。
だからとりあえず、可愛いラクダらしく砂漠に座らせてやろうと、ラクたんの体勢を整える介助をしてやった。
そして閃く。
「はっ、そうだ、ラクたん。手伝ったんだからコンビニに連れて行ってよ」
なんで手伝ったのかは既に意識の向こう。
あたしは過去は追わない主義なのだ。
ラクたんは、きっと観光客用のラクダ。
或いは、行方不明者捜索ラクダなのか。
どちらにしろ、ラクたんは現状打開の救世主として、あたしをここから助け出してくれるだろうと確信したあたしは、ラクたんのこぶの間に乗ろうとしたものの、例の如くンゴォォォと背中を振られ、あたしは背中から転げ落ちてしまう。
ラクたんは、結構根に持つタイプらしい。

