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不条理な世界に、今日も私はため息をつく
第3章 売られました
『処女狩り、セフレにゲイ。君もどうしてそんなところに吸い寄せられるかなぁ』
この先、すべてをさらけ出したあたしを丸ごと愛してくれる男はいるのだろうか。
『ボクがいるのに、なんでそんなに悲観的になるのさ。大ハトに乗った気で、いろよ』
………。
『そのボクを焼き鳥にして食おうなんて、ひどいよな。まず、こんな綺麗な美しいハトを焦がそうといった発想自体信じられないよ』
………。
『仕方が無いから、ボクの大好きなユーガの実で、この件は手を打ってやる。ボクって本当に寛大だよね』
………。
……ありえん。
本当ありえない。
「なんでお前、ひとの言葉で喋ってる!?」
『クルックゥ!』
あたしの声に驚いたのか、奴は最後だけハトらしき声を響かせると、次第に景色の白色が縮小していく。そして……ハトの形に凝縮されると、ばさばさと大きな羽ばたきの音を響かせて、飛んで行ってしまった。
とんでもない奴だ、クルックゥ。
ひとの痛い過去に侵入し、聴覚からこうして嫌味攻撃をしてくるとは。