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不条理な世界に、今日も私はため息をつく
第1章 破談になりました
そんな時、再びメールが来た。
『該当検索結果3名です。よい恋愛&結婚を』
「は!? 該当あり、ですとっ!?」
そして――。
突如画面が光ったところまでは覚えている。
だけどあたしの意識は、それに呼応するように白くなってしまったんだ。
「貧血……? 生理のため……?」
やばい。鎮痛剤が切れたのか、お腹が痛い気がする。
こんな汚い裏路地で倒れるな、あたし。
くそっ……。
景色が……薄くなる。
誰か気づいて助けてくれるかな。
世知辛い世の中に、そんなの期待する方がおかしいかな。
ぐるぐると、どうでもいい思考が巡り……
薄らぐ意識が、ぷつりと途切れた。
だからあたしは気づかなかったんだ。
画面から飛び出してきた羽ばたきの音に。
それがあたしのお腹をさすり、こう叫んだことに。
「クルックゥ!」