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白雪姫にくちづけを
第22章 翔平×浩巳×カズヤ
辺りも薄暗くなり、バーベキューも彼らの空腹を満たし終えた頃───
翔平が手持ち花火を持ってきた。
『たくさんあるから、好きなだけ遊んでね。』
女性陣ははしゃぎながら、早速点火し始める。
砂浜で楽しむ彼女達を眺め、少し離れたコテージのウッドデッキで、翔平はタバコに火をつけた。
『…いいですか。』
その隣に、コーラを持った浩巳が腰かける。
『あぁ、構わないよ。』
翔平は嫌な顔一つせず、つけたばかりのタバコの火を消した。
『…あ、どうぞ。お構いなく。』
『ヘビースモーカーって訳じゃないんだ。大丈夫、気にしないで。』
翔平は同性にも親切で、好感が持てる青年だ。
『遠藤くん、今日は大変だったね。彼女以外は知らない人ばかりで、気疲れしたろ?』
『それは…』
(えーと、何だっけ…確か武将の名前…)
『家光…さんも同じでしょ。』
『おれはまぁ、一人年上だから気楽なもんだったよ。』
『………。』
(この人は、朝から働きっぱなしだ…)
ここへ来るまでの車の運転、着いてからも、翔平はさり気なく全員の安全などを見守ってきたことを、浩巳は気づいている。
その証拠に、今日始めて彼はビールを手にしている。
『いざとなったら助けに行くために…アルコール、体に入れなかったんでしょ?』
『ん?はは…まぁ何もなくて良かったよ。』
翔平はグイッとビールを飲む。