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白雪姫にくちづけを
第31章 約束の花
『結婚おめでとう!』
『ありがとう、みんな〜』
ウエディングドレスを纏った芽衣は、満面の笑みで答えた。
今日は、芽衣の結婚式。
小さな教会のある式場で、彼女は親族や旧友達に囲まれて幸せな時間を過ごしている。
『天候にも恵まれて、ホント良かったね!教会での誓い、素敵だったなぁー♡』
『ステンドグラスに日が差し込んで、すごい幻想的だったね。
…にしても、芽衣が一番乗りなんてね!』
大学を卒業してから早一年。
仲の良かった梨々子と芽衣とも、お互い就職先が離れてしまい、なかなか会えなくなっていた。
芽衣の結婚式に、3人は久々に顔を合わせたのだ。
『彼氏なんか興味ないって言ってた、あの芽衣が!3人の内、一番にお嫁に行っちゃってさ。』
梨々子が披露宴の席を立ちながら、あずさに話しかける。
『ふふ、そうだね。お腹には赤ちゃんだっているんだもんね。』
芽衣のお腹には、新たな命が宿っている。
結婚式の直前に判明したのだと、2人は芽衣から報告を受けていた。
2人は、花嫁がお色直しに席を立っている間、化粧室に移動した。