この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
白雪姫にくちづけを
第31章 約束の花
『…で、あずさはどうなの?浩巳くんとは。』
口紅を直しながら梨々子は鏡の中のあずさに言った。
『うん、今は浩巳が就活で忙しいんだけど、仲良くやってるよ。りっちゃんは今の彼、公務員だっけ?』
『あーあれはダメになったの。今は年下と付き合ってんだけど…可愛いんだけどね、結婚って感じじゃないや。
あずさ達は長いよね!もう結婚も近いんじゃないの?』
ため息まじりに答えた梨々子だったが、あずさに期待の目を向けて微笑む。
『やだな、りっちゃんてば//!まだだよ!』
(いつかは…って願ってるけど、そんな話、大学生の浩巳とは話したことないし…)
いつか確かめ合った2人の想いだが、それ以降、具体的に話をすることはなかった。
梨々子に赤面しながら言葉を返した時、あずさの携帯が震えた。
(あ、浩巳…)
【披露宴終わったら、二次会?
ちょうど披露宴終わる位に式場着くから、二次会行く前に少し会えない?】
『やだー♡相変わらずラブラブなんだね。』
画面を覗きこんだ梨々子がニヤニヤして あずさを突つく。
『んもぅ!からかわないでよ。早く戻ろっ!』
この春、大学4年生になった浩巳は、今日は就職活動の面接に行っている。
その合間に会える機会ができ、あずさは顔をほころばせながら、披露宴会場へ戻った。
(今日は会えないかと思ってたけど…嬉しいな)