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白雪姫にくちづけを
第31章 約束の花


『…で、あずさはどうなの?浩巳くんとは。』


口紅を直しながら梨々子は鏡の中のあずさに言った。


『うん、今は浩巳が就活で忙しいんだけど、仲良くやってるよ。りっちゃんは今の彼、公務員だっけ?』


『あーあれはダメになったの。今は年下と付き合ってんだけど…可愛いんだけどね、結婚って感じじゃないや。
あずさ達は長いよね!もう結婚も近いんじゃないの?』


ため息まじりに答えた梨々子だったが、あずさに期待の目を向けて微笑む。


『やだな、りっちゃんてば//!まだだよ!』


(いつかは…って願ってるけど、そんな話、大学生の浩巳とは話したことないし…)


いつか確かめ合った2人の想いだが、それ以降、具体的に話をすることはなかった。


梨々子に赤面しながら言葉を返した時、あずさの携帯が震えた。


(あ、浩巳…)


【披露宴終わったら、二次会?
ちょうど披露宴終わる位に式場着くから、二次会行く前に少し会えない?】


『やだー♡相変わらずラブラブなんだね。』


画面を覗きこんだ梨々子がニヤニヤして あずさを突つく。


『んもぅ!からかわないでよ。早く戻ろっ!』


この春、大学4年生になった浩巳は、今日は就職活動の面接に行っている。


その合間に会える機会ができ、あずさは顔をほころばせながら、披露宴会場へ戻った。


(今日は会えないかと思ってたけど…嬉しいな)


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