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白雪姫にくちづけを
第32章 番外編
私は小泉茜(こいずみあかね)。
バイト先の先輩に、かれこれ6年程…恋をしています。
本が好きで、暇さえあれば一人で本を読んでる私を、同級生達は暗いとか地味だとか言います。おまけに趣味は、占い。
いつだって、クラスから完全に浮いてる存在でした。
でも、いいんです。
恋をしているだけで、友達がいなくても幸せな気持ちになれます。
好きな先輩…遠藤浩巳さんは、私の一つ年上。学校は同じじゃありません。
だから、バイトのシフトが同じ日は、何日も前から会えるのが楽しみなんです。
だけど…
そんな私の唯一の楽しみは、いとも簡単に打ち砕かれました。
数年前のある日、買い物にやって来た、可愛らしい女の人。
普段、冷静で物静かな遠藤さんは、彼女と楽しそうにレジで話していました。
(あんな顔して笑うんだ…)
初めて見た遠藤さんの笑顔は、今でも覚えています。
その女性は、遠藤さんの彼女さんです。