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白雪姫にくちづけを
第32章 番外編
遠藤さんはきっと学校でもモテるんだろうと思ってました。
本当は彼女もいるだろうけど、学校が違うから、そんなのは知らない。
だから勝手に、私は恋をしてしまったんです。
分かってます、片想いだもの、仕方がありません。
最初から、付き合えることを期待なんかしてません。私、暗くて地味ですし。
でも、目の前で彼女さんと話すのを見ると、やっぱりヘコんじゃいました。
あれ以来、諦めようとは思っているのですが…何分、他に出会いもありませんから、恋心は消えてくれません。
彼女さんの家はこの本屋の近所らしく、時々、お店にいらっしゃいます。
『あの。』
『はい?…きゃあ!』
呪いでしょうか!
たった今、考えていた、遠藤さんの彼女さんが、目の前にいます!
な、な、な、なんで私に話しかけているのでしょうか?!?!
『あ、驚かせてごめんなさい。オススメの本、教えてほしくて。』
彼女さんは、少し恥ずかしそうに笑っています。その笑顔は…私も恋しそうなほど可愛いらしいです…。遠藤さんが好きになるのも、無理ない気がします。