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白雪姫にくちづけを
第14章 通じあう心*
ハァ…は…はぁ…はぁ…
力尽きた2人は、息を荒らげながらベッドに倒れこむ。
『はぁ、はぁ、あぁ…汗、かいたね…』
まだ余韻に痺れているような彼女の表情に、浩巳はやわらかく微笑む。
そして、乱れた息を少し整え、彼は身体を起こした。
『待ってて…』
あずさの汗ばんだ額に手を添えて彼はベッドから離れる。
…戻ってきた彼の手には、タオルが握られていた。
水を絞ったタオルで、浩巳は丁寧にあずさを拭いてやる。
冷たいタオルが、火照った身体に心地良い。
それから、替えの下着とシャツを取ってきて彼女に渡してやった。
『なんか…完璧だね?』
『ん?』
軽くシャワーで汗を流してきた彼に、あずさは呟く。浩巳は何となく察しがついて、彼女の頭をポンとたたいた。
『慣れてるって言いたいんだろ?でも逆だよ。
自分でも驚いてる。こんな気持ち、初めてだから。』
彼女の側に腰かけ、浩巳は少し恥ずかしそうに、胸の内を明かす。
『人と関わるのは得意じゃないから…気遣うこともしてこなかった。こんなに相手を思いやりたいと思ったことは、ないんだ。』
やさしい声色。それだけで、あずさの心は溶かされそうなほど。
『あずさが大事だよ。』
彼の大きな腕に、ふわりと包まれる。
『おれは年下で、頼りないかもしれないけど…あずさを愛してる。』
『浩巳…』
『//…………
………………やっぱ、最後のはナシ//』
あずさの肩に埋めた浩巳の顔は熱く、覗こうとするあずさに抵抗して、抱きしめる力を一層強くする。
『ふふ…
私も、こんな気持ちは生まれて初めて…』
(すきな人といるって…
嬉しくて、切なくて、胸がうずうずして…
だけど、こんなに満たされる…)
あずさに布団をかけ、浩巳は瞼にキスを落とした。
『眠れそう?』
『ふふ、分かんない…//』
2人は手をつないで、同じベッドで眠りについた。