この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
白雪姫にくちづけを
第15章 王子のくちづけ
『…白雪姫?』
『そうだよ。…前にちょっと話したろ、昔、寝てるあずさにキスしたことがあるって。』
浩巳は上半身を起こし、肩肘をついて あずさを眺める。
『あれは、親に読んでもらった白雪姫の話に影響されたからなんだ。
お姫さまが王子のキスで目覚めるってやつね。』
ちょっと恥ずかしそうに、浩巳はあずさの髪の毛を指で弄びながら続ける。
『昔…寝てるあずさに、白雪姫のシーンを重ねて口づけしたら…あずさ、本当に目を覚ましたんだよ。』
チュ
『さっきのあずさみたいに。』
『え、あ…(やっぱり、さっき寝てる間にキスしてたんだ//)』
『子供ごころに嬉しかったんだ。自分が、あずさの王子になれたような気がして。』
『…そういえば、浩巳って白雪姫の話が一番好きだった気がする。』
『はは…恥ずかしいこと覚えてるんだな。今思えば単純だけど、当時はあずさと自分の話にみたいに思えて…だから好きだったんだ。』
(そんな可愛らしい過去があったなんて…)
『うふふ…』
『あ、なんだよ!笑ったな!』
『やだ、違っ…んんっ!』
浩巳はあずさに深く口づける。
『そんなお姫さまにはお仕置き…!』
『あっ…』
瞼、頬、首筋、鎖骨…ゆったりとした甘い口づけが いくつも降りそそぎ、彼女を溶かす。
『はぁ…このまま、たべたい…』
チュプ…チュ
愛おしく彼女の唇を貪ると、浩巳はやわらかく微笑んだ。
『身体、起こせる?手伝うよ。』
身体を労る浩巳に、あずさは身を預けながらその耳元に囁く。
『浩巳、大好き…』
『…!せっかく我慢したのに//』
『んんっ…//』
甘い朝のじゃれあいは、
あずさのお腹の虫が鳴くまで続いたのだった。