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白雪姫にくちづけを
第15章 王子のくちづけ


『…白雪姫?』


『そうだよ。…前にちょっと話したろ、昔、寝てるあずさにキスしたことがあるって。』


浩巳は上半身を起こし、肩肘をついて あずさを眺める。


『あれは、親に読んでもらった白雪姫の話に影響されたからなんだ。
お姫さまが王子のキスで目覚めるってやつね。』


ちょっと恥ずかしそうに、浩巳はあずさの髪の毛を指で弄びながら続ける。


『昔…寝てるあずさに、白雪姫のシーンを重ねて口づけしたら…あずさ、本当に目を覚ましたんだよ。』


チュ


『さっきのあずさみたいに。』


『え、あ…(やっぱり、さっき寝てる間にキスしてたんだ//)』


『子供ごころに嬉しかったんだ。自分が、あずさの王子になれたような気がして。』


『…そういえば、浩巳って白雪姫の話が一番好きだった気がする。』


『はは…恥ずかしいこと覚えてるんだな。今思えば単純だけど、当時はあずさと自分の話にみたいに思えて…だから好きだったんだ。』


(そんな可愛らしい過去があったなんて…)


『うふふ…』


『あ、なんだよ!笑ったな!』


『やだ、違っ…んんっ!』


浩巳はあずさに深く口づける。


『そんなお姫さまにはお仕置き…!』


『あっ…』


瞼、頬、首筋、鎖骨…ゆったりとした甘い口づけが いくつも降りそそぎ、彼女を溶かす。


『はぁ…このまま、たべたい…』


チュプ…チュ


愛おしく彼女の唇を貪ると、浩巳はやわらかく微笑んだ。


『身体、起こせる?手伝うよ。』


身体を労る浩巳に、あずさは身を預けながらその耳元に囁く。


『浩巳、大好き…』


『…!せっかく我慢したのに//』


『んんっ…//』


甘い朝のじゃれあいは、
あずさのお腹の虫が鳴くまで続いたのだった。


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