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白雪姫にくちづけを
第17章 お泊り禁止
朝食を済ませた2人は、
浩巳のマンションへ向かっていた。
『おばさん、怒ってるかな…?』
浩巳が初めて朝帰りすることになってしまい、あずさは心配でならなかった。
『さぁ…どっちでもいいよ。』
当の本人は、興味なさそうに答える。
『それより、本当に大丈夫なの?
お腹、痛いんだろ?』
浩巳の腕を掴み、どことなく不自然に歩くあずさを見て、彼はもう一度声をかけた。
『だ、大丈夫//』
『…ったく無理して。今日一日くらい、ゆっくり寝てればいいのに…』
歩幅を合わせながら、浩巳は心配そうに彼女の顔を覗きこんだ。
(だって…家で一人なんてヤダ。
一緒にいたいもん…///)
自らの体調より浩巳の側を優先し、あずさは彼の心配を押し切って外出した。
(それに…
昨日、浩巳を引き止めたのは私だから…//
怒られるなら、私が謝らなきゃ。)
おばさんへの後ろめたさもあり、あずさは部屋でじっとなどしていられなかったのだ。
ガチャ
『ただいま。』
『おじゃまします。』
リビングに入ると、掃除機をかける おばさんの姿があった。
『あら、おかえり!まぁ、あずさちゃんも!』
『こんにちは。』
あずさの捕まる片腕を、母親から見えないように、浩巳は背中に隠す。
彼の後ろからヒョコっと顔を出し、あずさは挨拶をした。
すると、おばさんはにっこり微笑んで
『浩巳、おめでとう!!』
そう声をかけてきた。