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嘘つきな唇
第2章 嵐の一夜
『明日の朝は、
解除されるの?』
『……はい……
朝には解除だそうです……』
『……雪奈……
どうする?
帰れないみたい……』
……まあ……
どうするも何も、
この場合泊まるしか無いけどな……
すると雪奈も……
『……あの……
部屋はこのまま、
泊まれるんですか?』
『……あ、はい……幸い予約は入って、居ませんので。』
『……じゃあ……
ルウ泊まりましょ?仕方無いわよ、
この雨じゃ……』
『……え?……
俺はいいけどお前は仕事休めんの?』
……ほんとは……
俺だって全然、
良くねえ……
帰らないとマズいけど……
『……でも……
仕方無いわ……
この場合……
後で会社に電話して休むわ……』
『……マジで……
大丈夫かよ…?』
『……まあ……
この状態話して、
歩いてでも来なさいって言われたら……そんな職場……
こっちから辞めて、やるわよ。
大丈夫よルウ……
心配しないで?』
『……雪奈……
随時逞しいな……』
『……まあね……
7年も働いてますから。それより、
ルウは大丈夫?』
『……俺は……
雪奈が大丈夫なら、この場合仕方無いよ……』
『……じゃあ……
決まりね……』
『……ああ……
じゃあすみません。もう1泊追加で。』
『……はい……
ほんとにすみません。
夕食サービス、
しますので……』
『……いや……
宿側のせいじゃ、
無いですから……
こちらこそ急な、
宿泊ですみませんがお願いします。』
『お願いします。』
…と雪奈も従業員に礼を言った。
『……はい……
では失礼します。』