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だ〜いすき!
第1章 プロローグ
―――お父さん、華子は今日お嫁に行きます。
今朝、仏壇の父親の位牌に手を合わせ、須藤 華子として最後の挨拶をした。
今日はとてもいい天気だった。
六月の梅雨の合間の晴れ間の青空は、これから始まる二人の新しい生活のスタートを暗示させるような希望の香りに満ちていた。
華子の身に起こったトラブルは、二人のその距離を急速に…そう、あっという間に縮めて。
そして今日の佳き日。
旦那様である陽輔の自宅にて、陽輔の家の知己の神主さんを自宅に招き、祝詞をあげて貰い、固めの盃を互いにかわし、結婚式を挙げた。
良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も―――共に生きると決めた陽輔の元へと嫁いだ華子は、須藤から橘へと苗字が替わり、橘華子となったのだった。
旦那様の名は陽輔。
奥さまの名は華子。
この物語は、とある田舎の片隅で生まれた一組の夫婦の、あまーい新婚生活のお話である。