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あたかも普通の恋愛小説
第2章 不名誉な肩書き

そして目の前にいるのがそのたまにいるしつこいひとだったみたいで、私の手を掴んで無理矢理歩き出す。
「いいじゃん、俺いいとこ知ってるからさぁ」
やだ、なにこれ怖い。
「は、離してくださっ」
抵抗しようとした私の耳にナンパ男が囁く。
「さっきの話、聞いてたよ」
私は背筋が冷たくなるのを感じた。
「どうせ合コンとかなら知らない相手とも寝ちゃうんでしょ?だったら俺でもいいじゃん」
「や、めて」
怖くて足が震え出す。
「騒いだりしなきゃ優しくしてあげるからさ」
私のことを舐めるように観察しながらさらに強く手を引くナンパ男。ヒールのある靴は踵も浅くてとても走って逃げるには無理がある。掴まれてる手もちょっと痛い。怖い。
「こんな可愛いビッチ、ほっとく手はないよね」
「私、そんなんじゃ」
「でももう今月だけで六人でしょ?俺が七人目。友達も紹介しようか」

