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あたかも普通の恋愛小説
第2章 不名誉な肩書き

泣きそうな私に耳を疑うような救いの言葉が投げ掛けられたの。
「ねぇ。その子俺の彼女なんだけど。どこに連れていくの」
びっくりして振り替えるとスラッと背の高い、知らないひとが立ってた。
「はっ、嘘がバレバレ。この子はビッチで彼氏が出来ない残念な可愛いこちゃんでした」
ナンパ男が愉快そうに笑う。背の高い彼は癖のない髪をサラリと揺らして私を見た。彼も私をビッチだから救えないって思うのかな。救う価値がないって諦めるのかな。
「でも嫌がってるよ彼女。手を離して」
あ。違う。このひとは――
私がそれだけでもう嬉しくて感謝を言いたい気持ちになっていると、ナンパ男が彼に睨みを利かせた。
「邪魔してんじゃねえよ」
どうしよう、どうしたらいいんだろう。ナンパ男はチャラチャラしていてガラが悪そうだし、きっと喧嘩もしてそう。対する彼は大人しそうで真面目そうで草食男子ぽいから……私のせいで怪我なんてさせたくない。
このまま私が素直にナンパ男についていけば、彼を巻き込まないで済むかもしれないけど、せっかく彼が助けてくれようとしているのをふいにしちゃうし、何よりやっぱりビッチとか思われるのは嫌。

