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あたかも普通の恋愛小説
第12章 奈落、注意報

何がどう誤解かしら。嫌がらせでないならどうして私と郎太の邪魔をしたいのかわからないし、第一周りのひとが口を挟むことじゃないわ。
「何の問題があるっていうの」
「んー…」
私が聞けば井藤くんは言いにくそうに黙る始末。
「も、もしかして…!」
私はそっと自分の口元を押さえた。嫌だ、とんでもない事実発掘かも。
「井藤くんて……」
私が言い淀むと井藤くんは「うん?」と眉をあげる。
「郎太のこと、好き…なの……?」
前に、女は嫌いだって言ってた気がするし、もしかするとそういうことなの…?
「…………」
井藤くんがスーッと目を細めた。普段チャラチャラして見えるから急に真面目な顔をされるとイケメンが映える。ごくり。
いくら井藤くんが美形でも、ここは負けられない。郎太は私とラブラブなんだから、井藤くんなんかに渡さない。
私は緊張しながらも、気を引き締めて井藤くんを睨み返した。

