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あたかも普通の恋愛小説
第15章 秘密の花園


でもまぁ、生理が終わったばかりだし。時期的にはそういうタイミングではない気もするので多分問題ないのよね。

ひとまず、今現時点で重要なのは井藤くんの件?


「郎太に何か言ってきたの?井藤くん」

「……いや、井藤は別に何も」

「じゃあどうして突然郎太がご乱心したの。だいたい今日は忙しい予定だったはずなのに……大丈夫なの?」


研究室をすっぽかして私のところへやって来たならそれ相応の引き金があったはずなの。つまりきっかけが。井藤くんが原因でないのなら一体何がその原因?


言いたくなさそうな素振りで渋々、郎太が白状する。


「写真が送られてきた」

「写真?」


ハンガーに吊るしてあったジャケットのポケットから、くしゃくしゃになった封筒を取り出して郎太はため息をつく。中から出てきた数枚の写真には私と井藤くんのツーショット。っていっても明らかに隠し撮り、物陰から撮りましたというそういうアングルで。井藤くんがしかめっ面の私の肩に手を回して内緒話してるとこや、私のオデコにキスしてるとこがバッチリ写っている。


「…………。なるほど」


これは突然見せられたらさすがに。端から見れば仲良さそうだものね。


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