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あたかも普通の恋愛小説
第15章 秘密の花園
何となく流れが読めてきた。私は写真に写ってる日の井藤くんとの会話を思い出す。
〇〇〇
「なんか興信所つうの?よく浮気調査とかするような。アレを雇ってるみたいなんだよね」
「…浮気調査…」
「真壁の身辺調査つうか、身辺にいる俺ら調査つうか。実際俺のとこには来たし。大学入ってわりとすぐの頃」
「わぁ。本格的」
「それで散々ミソクソ言われた。俺ってば色々やらかしてたし。――っていう経験上、小鳥ちゃんのとこにもきっと遅かれ早かれ来るだろうし、あんまりいい経歴とは受け取られないはずなんだよね」
あ。つまりアレですね。誰とでもすぐなんたらな身持ちの悪い女っていうレッテルの話ですね。
「他人にとやかく言われる筋合いはないんだけどさ。正直真壁の母親はマジむかつく」
「んー」
「小鳥ちゃんが嫌な想いする前に何とかしたい俺からの提案なんだけど、興信所には小鳥ちゃんは俺の彼女ってことにしたらいいんじゃないかと」
「えー?」
「だってマジありえないよ。アレが自分の母親だったら俺殴ってる」
「郎太はお母さんにそんなことしません~」
「だからでしょ。郎太じゃ小鳥ちゃんは守れない」
「……私、平気。別にお母さんが探偵雇ってても」
「マジでぇ!?」
「それはきっと愛情の深さからなんだよ。大事な息子だもん心配なんだよ」
「いやいやいや。異常でしょ?」
「そんな大事な息子の彼女、なんて――憎まれても仕方ないよ。私、頑張る」
〇〇〇
って言ってた会話も、もしかするとすでにリサーチされてたわけで。写真撮られてたとは気付かなかったなぁ。プロのお仕事だ。