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あたかも普通の恋愛小説
第16章 天国と地獄
「生地の面積はそのままで透ける素材にかえるという手も」
次々に彼らの口からアイデアが飛び出し、ついにはCさんが何やらゴソゴソと後の棚をあさりだし、伸びる素材の黒い布を大胆にハサミで裁き始めた。恐ろしいくらい華麗な手際に唖然。気付けばAさんBさんも何か作りはじめてる!針と糸で超手作業早い!
あれ。普通はデザイン画とか書き起こしたりして、それからつくるんじゃあ……?私が固唾をのんで見守る中黙々と手を動かす彼ら。そしてさほど待ち時間もなく、なんと大まかにショーツを完成させた。
「実際には補正下着の専用ワイヤーやゴムを入手してからだから、あくまでデザインなんだけど…――」
言いかけたBさんの声を遮り、私は叫んでいた。
「すごいです!本当に魔法使いみたいです!魔法のランジェリー!」
夜中に小人が作ってくれる靴のお話みたいに。なんかすごい職人魂を見て感激した。
「…………魔法使いっていうのは、」
「その説明はいい!」
「たぶん天然なんだな」
三人が微妙な会話で私を哀れむような視線を投げて寄越した。一体どういう意味かしら。
「? ナンデスカ???」
「……お前、俺たちが気持ち悪いとか思わないのか?」
どういう意味かしら、パート2。