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あたかも普通の恋愛小説
第18章 第二回
幻聴なのかな。二人のやりとりはもうよくわからない。朗太がここにいるわけない。あれは大嶌様の若い恋人だわ。
力尽きて横たわったままの私をやがて誰かが抱き起こした。まぶたを持ち上げた向こうには覗き込む朗太の顔。
「大丈夫?小鳥」
「……朗太、なの?どうして……?」
いるわけがない場所に、いるわけがない朗太がいる。まるで夢でも見ている気分。
夢ならこのまま朗太に抱かれたいな。玩具じゃなく朗太にイカされたいな。
朗太の胸に頬を埋めて目を閉じた。
「とりあえず連れて帰るから」
「あら。ゆっくりしていって?何ならここであなたが続きをしてくれてかまわないのよ」
「どこの世界にそんな、」
言いかけた朗太が、私をみた。私が朗太の首に腕をまわして唇を這わしていたから。朗太がほしくてたまらない。
「ちょ……待って小鳥、」
「いいじゃないのよ。このままじゃ小鳥ちゃんがかわいそうだわ」
クスクスと笑う大嶌様。朗太はおろおろと私を見ていた。