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あたかも普通の恋愛小説
第19章 あたかも普通の恋愛小説
それから数回、私の中へ強く擦り付けてきた朗太が体を震わせて動きを止めた。愛しくて抱きしめた背中をゆっくり撫でると朗太の息が肩にかかる。
「も少しこのままでいて…」
「このままって……このまま?」
「うん」
ニヤニヤと私たちを見ている大嶌様が視界に入ってきて、途端に私はバツの悪い顔をする。
「あの。すいませんでした……」
何と言えばいいのか、口ごもると大嶌様はにこやかに笑顔を返す。
「何を謝ってるのかしら?小鳥ちゃんも今日から私の娘ってことでいいかしら」
「娘……」
やっぱり夢でも見ているみたい。なんて都合のいい夢なんだろ。