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あたかも普通の恋愛小説
第4章 恋花・火花
私が今までに会った男のひとって、口でされたり、胸でされたりしたがって。あるいはすぐに挿入れたがったり。そんなひとばっかりだったから。男のひとは皆そうなんだと思ってた。
でも井藤くんは、私にそんなことをしてとは言わなくて、自分が気持ちよくなろうとするんじゃなく、私を気持ちよくしようとした。そんなの初めてで、どうしていいかわからない。
気付けばまだ入れてもないのに私の体はびっしょり濡れていた。
「それだめ…ぁ…や、井藤く、」
指で私を翻弄する井藤くんに、私の脚はガクガク震えちゃって、怖い。
「も、やめ……ふぁあ、ヘンになっちゃうぅっ」
「小鳥。イッたことないの?大丈夫だよ、そのまま感じて」
「ぁ、ぁ…や、」
そういえば私、イッたことなんてない。男のひとをイカせるばかりで自分ではその感覚を体験したことがない。
「可愛いよ小鳥。イッていいよ」
井藤くんの手の動きが力と早さを増して私に火をつける。もう言葉にならない喘ぎしか口からは出ない。悲鳴に近いそれを聞かれているのは恥ずかしいのに堪えることも出来なくて、私は一心に髪を振り乱す。