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あたかも普通の恋愛小説
第7章 メディスン


どこをどう通ったのかよくわからない、一人じゃ二度と来れないだろうしそれ以前に帰れないだろう大学内をずんずん進む。無口でただ目的の場所へ向かう真壁さんの背中を追いかけ不思議な気分だった。

例えるならば、ふしぎの国に迷い込んだアリスみたいな。


「ここ」


やがてたどり着いた扉をあけて研究室に入り込むと。ますますふしぎの国。何の実験をしてるのかはさっぱりわからないけれど何かの実験に使う謎の装置などが目に飛び込んできた。見たことないものが多すぎ。


「わぁ…すごいですね、」


すごいですね、としかいいようがない有り様。散らかってはいないけど物が多すぎて散らかっているかのよう。

広いけど狭い、みたいな。


確かに他には誰もいないようで、いりくんだ中を奥へ行くともう入り口から誰か来ても見えない。


「ちょっとここで座って待ってて。薬箱みてくる」

「あ…はい」


広くあいたテーブルには何もない。大人が横たわって寝れそうな大きなテーブル。丸椅子に座って辺りを観察してみたけどやっぱり何の研究室かわからず。


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