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あたかも普通の恋愛小説
第7章 メディスン


「いつもはここでずっと研究に明け暮れてたりして。何度もメールくれてたのにごめん」


どこからか薬箱を持ってきた真壁さんは白衣を羽織って眼鏡をかけていた。一瞬時が止まる気がして。

だって。かっこいい。


「……いえ、」


ぽーっとしてる私はろくな返事も出来ないでいた。薬箱をあけて中を見ている真壁さんが包帯と綿やガーゼ、消毒液と絆創膏をテーブルに並べていく。白衣を着てるだけでその行為が何か神聖なものにすら見える。


「軟膏はないな。胃薬とか咳止めとか……飲み薬ばっかり。リップクリームとかある?」

「リップクリームなら持ってますよ」


私は自分のカバンからリップクリームを出した。


「じゃあ脱いで」


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