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大地の恋
第2章 若葉の頃
「誰か友だちに戻りたい人がいるの?」
「………」
そんなに大きな声で言われたわけじゃないのに先生と鞠華さんがふとこっちを向いて先生と目が合う。
「……ここじゃ言いづらいか」
理穂さんの言葉に先生は複雑そうな顔をしていて私は苦笑いするしかなく……
「パパ、まゆ」
悠月が先生を引っ張ってマユを見に行きたいと訴える。
「ああ…後でな」
「まゆみる、まゆ」
珍しく先生の腰が重いけど悠月はマユを見ると引かない。
「…こたちゃんとゆづ連れて行ってくれば?」
「……虎太郎も行くか?」
私の言葉に仕方なく先生が立ち上がる。
理穂さんちのお兄ちゃん、虎太郎くんが頷いて先生は両手に子供たちを連れ母屋へマユを見に行った。
「本当に夫婦なのね…」
「そうですか?」
「制服着てたあの子が奥さんだなんて……」
感慨深そうに鞠華さんが呟いた。
「まさか二人が結婚するとは思わなかったけど」
「私も思わなかったです」
ハハっと笑うと鞠華さんが悪戯に訊ねた。
「あの可愛い彼氏と別れた原因はもしかして恭也?」
「………」
その質問に静かに首を振る。
「でも友だちに戻りたい人って彼なんでしょ?」
「幼馴染みなんです私たち。ゆづより小さいくらいの頃からの……」
……幼馴染みと恋愛はするべきじゃないのかもしれない。
家族に近い関係は心にポッカリ穴を開けて七年経った今でも埋まらない。
「今、その彼は?」
「実家にいるみたいです」
「同窓会で会ったりしないの?」
「…別れてから行ってなかったし、彼も来てなかったって」
お互いがきっとお互いを避け、……でも付き合ってた期間以上の時が経った今、大地も思うことがあったりするだろうか。
「………」
ーーーーとその時携帯が鳴る。
発信者は先生で、こたちゃんがママがいないと嫌だと言うから理穂さんに来てほしいとのことで。
「あ、隣の家なんで」
「ん、じゃあちょっと行ってみるね」
理穂さんが母屋へ行くと私は鞠華さんと二人きりになった。
「………」
そんなに大きな声で言われたわけじゃないのに先生と鞠華さんがふとこっちを向いて先生と目が合う。
「……ここじゃ言いづらいか」
理穂さんの言葉に先生は複雑そうな顔をしていて私は苦笑いするしかなく……
「パパ、まゆ」
悠月が先生を引っ張ってマユを見に行きたいと訴える。
「ああ…後でな」
「まゆみる、まゆ」
珍しく先生の腰が重いけど悠月はマユを見ると引かない。
「…こたちゃんとゆづ連れて行ってくれば?」
「……虎太郎も行くか?」
私の言葉に仕方なく先生が立ち上がる。
理穂さんちのお兄ちゃん、虎太郎くんが頷いて先生は両手に子供たちを連れ母屋へマユを見に行った。
「本当に夫婦なのね…」
「そうですか?」
「制服着てたあの子が奥さんだなんて……」
感慨深そうに鞠華さんが呟いた。
「まさか二人が結婚するとは思わなかったけど」
「私も思わなかったです」
ハハっと笑うと鞠華さんが悪戯に訊ねた。
「あの可愛い彼氏と別れた原因はもしかして恭也?」
「………」
その質問に静かに首を振る。
「でも友だちに戻りたい人って彼なんでしょ?」
「幼馴染みなんです私たち。ゆづより小さいくらいの頃からの……」
……幼馴染みと恋愛はするべきじゃないのかもしれない。
家族に近い関係は心にポッカリ穴を開けて七年経った今でも埋まらない。
「今、その彼は?」
「実家にいるみたいです」
「同窓会で会ったりしないの?」
「…別れてから行ってなかったし、彼も来てなかったって」
お互いがきっとお互いを避け、……でも付き合ってた期間以上の時が経った今、大地も思うことがあったりするだろうか。
「………」
ーーーーとその時携帯が鳴る。
発信者は先生で、こたちゃんがママがいないと嫌だと言うから理穂さんに来てほしいとのことで。
「あ、隣の家なんで」
「ん、じゃあちょっと行ってみるね」
理穂さんが母屋へ行くと私は鞠華さんと二人きりになった。