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大地の恋
第4章 再会
「…どうして?」


千花ちゃんの目から涙が零れた。


「どうして俺“なんか”って言うの?板橋さんは全然俺“なんか”じゃないのに」


「…もしかして千花ちゃんは同情とかそういうのを勘違いしてるんじゃないのか?」



千花ちゃんの一言に思う。
その瞬間、千花ちゃんの涙が滝のように流れ出した。



「バカ…」


「……」


「板橋さんの馬鹿!大馬鹿!!アホっ!!」


「おい…」


「同情と好きの区別くらいつきます!…馬鹿にしないで」


千花ちゃんが背中を向けた。


「送るよ」


「いいです」


「危ないから」


「…平気」


千花ちゃんは思ったより頑固なようだ。
俺の言葉に一歩も引かないどころかどんどん意固地になっていく。


……でもこの年まで「本当に好きな人と」するためにキスも守ってきたような子だ。
それは当たり前か……


「でもな、千花ちゃんが平気でも世の中平気じゃないことなんか沢山あるんだぞ。…じゃなかったら事件なんて起きないだろ?」


「………」


「だから送る」


千花ちゃんを通り越して歩いていくと大粒の涙をこぼしながら千花ちゃんが叫ぶ。


「…もう!板橋さんムカつく!大っ嫌い!!」


「はいはい、好かれたり嫌われたり忙しいな」


「ムカつくからやっぱりご飯奢ってください



「おー、何でも奢ってやるぞ」



ーーー千花ちゃんの気持ちが明らかになった時、俺はもっと迷惑に感じるかと思ってた。
なのに千花ちゃんに想われてるということは少なくとも迷惑とは思えない。


むしろ心地好くさえ思えていて……


それでいながら受け止められないなんて勝手なもんだ。
その身勝手さを申し訳なく思いながら、千花ちゃんには幸せになってほしいと思っていた。








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