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大地の恋
第4章 再会
「私、温泉久しぶりです」
「俺も」
千花ちゃんの手を握り温泉街をプラプラと歩いていると、千花ちゃんが何かを見つけ俺の手を引いた。
「板橋さん!硝子細工だって」
「へー…ああいうの好きなの?」
「好きです。可愛いのとか綺麗なのとか
グイグイ俺の手を引いて店に引き寄せられる笑顔が無邪気で、保護者的気分でついていく。
「おー、確かに綺麗だな」
「このストラップ可愛くないですか?」
目の前にストラップをかざして目を輝かせる千花ちゃんは少女のようだ。
そんな彼女の一面を独り占めできる優越感に浸りながら気になっていることをさりげなく訊ねた。
「…そういえば林にちゃんと断ったのか?」
「えっ?」
「いや…あのままうやむやにしてるんじゃねーかなってちょっと思って」
「………」
千花ちゃんは何も言わずストラップを見ている。
「ちゃんと言わねーとまたされるぞ」
黙り込んだ千花ちゃんが面白くなくて、脅しめいた事まで口にしてしまうと千花ちゃんが俺を見た。
「…キス“くらい”でしたっけ?」
「もう違うから。大問題だからな」
そして口にしてみて初めて事の大きさを実感する。
手当たり次第ストラップを手に取り苛々を誤魔化してみるけど、一度ダイヤルが合ってしまった気持ちからはなかなか目が反らせない。
「………」
「何?」
「そんなに買うんですか?ストラップ」
「買わねーよ!」
指摘され恥ずかしくなって今度は一つ一つ元に戻す。
千花ちゃんはそんな俺を見てクスクス笑っていた。
「板橋さんてホント可愛い」
「……そりゃどうも」
「照れてる?」
「照れてねーよ!」
……からかわれてるのだろうか。
なんだか無性に恥ずかしく心地いい。
それから千花ちゃんは気に入った二つを見比べながら俺に言った。
「断りましたよ、だいぶ前に。板橋さんと付き合い始めた頃かな」
「……… 」
「ほっとしました?」
「別に」
胸の内を悟られまいとそっけなく答えてしまうが、内心かなりほっとしていた。
自分の彼女を好きな男…というのは厄介で危険なことを身を持って知っているから…
「俺も」
千花ちゃんの手を握り温泉街をプラプラと歩いていると、千花ちゃんが何かを見つけ俺の手を引いた。
「板橋さん!硝子細工だって」
「へー…ああいうの好きなの?」
「好きです。可愛いのとか綺麗なのとか
グイグイ俺の手を引いて店に引き寄せられる笑顔が無邪気で、保護者的気分でついていく。
「おー、確かに綺麗だな」
「このストラップ可愛くないですか?」
目の前にストラップをかざして目を輝かせる千花ちゃんは少女のようだ。
そんな彼女の一面を独り占めできる優越感に浸りながら気になっていることをさりげなく訊ねた。
「…そういえば林にちゃんと断ったのか?」
「えっ?」
「いや…あのままうやむやにしてるんじゃねーかなってちょっと思って」
「………」
千花ちゃんは何も言わずストラップを見ている。
「ちゃんと言わねーとまたされるぞ」
黙り込んだ千花ちゃんが面白くなくて、脅しめいた事まで口にしてしまうと千花ちゃんが俺を見た。
「…キス“くらい”でしたっけ?」
「もう違うから。大問題だからな」
そして口にしてみて初めて事の大きさを実感する。
手当たり次第ストラップを手に取り苛々を誤魔化してみるけど、一度ダイヤルが合ってしまった気持ちからはなかなか目が反らせない。
「………」
「何?」
「そんなに買うんですか?ストラップ」
「買わねーよ!」
指摘され恥ずかしくなって今度は一つ一つ元に戻す。
千花ちゃんはそんな俺を見てクスクス笑っていた。
「板橋さんてホント可愛い」
「……そりゃどうも」
「照れてる?」
「照れてねーよ!」
……からかわれてるのだろうか。
なんだか無性に恥ずかしく心地いい。
それから千花ちゃんは気に入った二つを見比べながら俺に言った。
「断りましたよ、だいぶ前に。板橋さんと付き合い始めた頃かな」
「……… 」
「ほっとしました?」
「別に」
胸の内を悟られまいとそっけなく答えてしまうが、内心かなりほっとしていた。
自分の彼女を好きな男…というのは厄介で危険なことを身を持って知っているから…