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斉藤太一です
第14章 変わらない僕・変わらない君
翌日
僕は
約束の14時より
少し前に
玄関のドアを開け
玄関の前の廊下に出た
そして
雲行きの怪しい空を
見つめながら
手すりに
肘をついて
階段をのぞき込む
かすみは
あの頃
こんな景色を見ながら
僕を
待っていて
くれたのかな…
そんなことを
考えながら
流れる雲を見ていると
階段を
誰かが上がってくる
足音が聞こえた
急いで
階段を確認すると
こっちを見ながら
少し
微笑み
髪を揺らす
かすみと目があった
「……おかえり」
「た…ただいま」