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斉藤太一です
第14章 変わらない僕・変わらない君
『両想い?』
君が
具合悪くて
この部屋に泊まった
あの時
その質問に
君は
涙で答えたよね
君は
好きだったんだ
しずくちゃんのパパのことが
でも
その人は
かすみを
愛しては・・いなかった
僕は
あぐらをかいた
膝の上で
ぎゅう・・っと
手を握りしめた
それなのに
妊娠してしまって
誰にも相談できなくて
手首に
包帯を巻いた
かすみの心を思うと
たまらなくなった
しずくのママが
君だと分かった時
しずくが
僕を親だと
信じていると
知った時
君の手紙を読んで
あの時
もう
しずくが
お腹の中にいたと
知った時
そうじゃないかなって・・
思っていたんだ
しずくを
しずくの誕生を
心待ちにするような
そんな
父親じゃ
なかったんじゃないかって・・