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斉藤太一です
第14章 変わらない僕・変わらない君
何度も
何度も
涙をこらえるように
かすみは
深呼吸をして
言葉をしぼりだす
「しずくが・・」
「うん」
「しずくがね
パパのこと
知りたがるようになったの
保育園に
通ってるとき
パパのこと
聞かれたの
死んじゃったって
言ってもよかったんだけど
パパに
会いたいって
泣いてるしずくを見てると
死んだなんて
言えなくて・・・
いつか
会えるって
言っちゃって・・」
「うん
わかるよ」
「でも・・・
しずくに
会いたいと
思ってもいない
本当の父親のことを
パパだって
言えなくて・・・
パパは
斉藤太一さんだって
言っちゃったの」
「うん
ありがとう」
「斉藤さん・・・」
「いいんだ
本当にうれしかったんだから」