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斉藤太一です
第14章 変わらない僕・変わらない君
僕は
右手に
傘を持ち
左手に
コンビニの袋を
持って歩いた
かすみは
僕の肩が
濡れていないか
何度も確認しながら
そっと
僕に近づき
傘に
おさまろうとした
もっと
もっと
アパートが
遠かったらいいのに…
僕は
そんなことを
はじめて思っていた
そして
ここは
部屋でもなんでもなく
もちろん
2人きりじゃないのに
雨の音だけに
支配された
傘の中は
まるで
2人きりの
密室のような気がして
「なんだろ…落ち着くな…」
と、僕は
つぶやいていた
「私も…」
「いくつになったの?」
その不思議な雰囲気のせいか
なぜか
さっきまで
聞けなかったことが
すらすらと
言葉になって出てきた
かすみに
肩をふいてもらったり
僕が
濡れないように
気をつかってもらったり
したからかな…
「24…」
「そうか…」
あの時君は
17歳だったのか…
「…うん…」
「僕はもう、36だよ(苦笑)
もしかして…干支が同じかい?」
「(笑)」
それから
誕生日の話をすると
かすみは
僕と干支が同じで
一回りも年下ということが
わかった
7年もたって
やっと。
右手に
傘を持ち
左手に
コンビニの袋を
持って歩いた
かすみは
僕の肩が
濡れていないか
何度も確認しながら
そっと
僕に近づき
傘に
おさまろうとした
もっと
もっと
アパートが
遠かったらいいのに…
僕は
そんなことを
はじめて思っていた
そして
ここは
部屋でもなんでもなく
もちろん
2人きりじゃないのに
雨の音だけに
支配された
傘の中は
まるで
2人きりの
密室のような気がして
「なんだろ…落ち着くな…」
と、僕は
つぶやいていた
「私も…」
「いくつになったの?」
その不思議な雰囲気のせいか
なぜか
さっきまで
聞けなかったことが
すらすらと
言葉になって出てきた
かすみに
肩をふいてもらったり
僕が
濡れないように
気をつかってもらったり
したからかな…
「24…」
「そうか…」
あの時君は
17歳だったのか…
「…うん…」
「僕はもう、36だよ(苦笑)
もしかして…干支が同じかい?」
「(笑)」
それから
誕生日の話をすると
かすみは
僕と干支が同じで
一回りも年下ということが
わかった
7年もたって
やっと。