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斉藤太一です
第18章 遅くなってごめんね、かすみ
クリーニング屋の
奥の部屋には
壁に
しずくが描いた絵を
貼り
小さな図書館のように
絵本が並び
昼寝をしたりするための
座布団やタオルケットを置き
そこは
もう
しずくの隠れ家のようだ
僕は
そこで
しずくと
お昼ご飯を食べたり
暇な時間に
色んな話をするのが
楽しみで仕方なかった
小学生になるまで
一緒にいられなかった
時間を
取り戻したいとも思った
僕を
待ってくれていた
しずくが
いつか
思春期を迎えて
僕のことを
おとーさんなんて
呼んでくれなくなるかも
しれないけど
そうなるまで
できるだけ
しずくと
一緒の時間を
過ごしたいと思った